理2・大西秀・4

おかたと丸屋のこうさんと私との三人の娘が、当時、八重で鉄道の切り通しの工事をしていたのを、一緒に見に行ったことがあった。この工事に、内藤という人が子分を五十人くらい連れて来ていた。こうさんが、その内藤が好きで大騒ぎをしていた。その時も、「帰ろう」と言っても、こうさんが「どうしても、内藤の所へ行く」と言って聞いてくれなかったので、一人置いて帰った。(2)すると、丸屋の勘さんが「うちの娘を連れて行って、一人だけ置いて帰るような無茶をするなら、これからは一緒に遊んでくれるな」と、たいへんに怒って悪口を言って来た。それで、私は腹が立ってしかたがなく、夕ご飯も食べられず、生きても死んでもいられない気がした。
(3)そこで、夜になってからお参りして、お願いをした。ずいぶん遅かったので、灯がついているだけで広前にはだれもおられなかった。金光様はもう奥に入っておられたが、出て来ていただいて、「金光様、今夕ぜひお願いしなければならないことがあります。今日こうこういうことで、腹が立って腹が立ってたまりません。今夜、私は寝られないほどです」とお願いしたところ、(4)金光様は、
「腹を立てるな。立った腹は、そこへ置いておいて帰れ。あれこれと苦にするな。神様にお願いしていさえすればよい。あまり疲れているようなら、ちょっと寝て、それから帰れ。今晩中には向こうから断りに来る。苦にしなくてもよい」
と言われた。私は「本当ですか。本当ですか」と、しつこくたずねた。
(5)それから、心が落ち着くようにお願いして帰り、夕飯を食べずに風呂に入っていたら、勘さん方のおばさんが来て、「お秀姉さん、今日はお父さんが悪いことを言って、すまなかった。腹を立てないでおくれ。あの時は、お父さんが一杯飲んでいたからで、怒らないでおくれ」と断りを言ってくれた。(6)私はありがたくてありがたくて、東向きの風呂の中でお広前のある西の方へ向いて、金神様にお礼を言った。明けの日からは、勘さんはものをやさしく言ってくれた。

  1. 理3・内伝・13

  2. 理3・内伝・12

  3. 理3・内伝・11

  4. 理3・内伝・10

  5. 理3・内伝・9

  1. ご伝記 金光大神(昭和28年刊行版)

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