理2・津川治雄・4

寄島辺の漁師らしい人が大病を患い、おかげで直ったが、長い間参らなかった。その後、ひょっこり参って、「金光様、久しくご無沙汰いたしました」とあいさつすると、
「はい。あなたはどなたかなあ」
と金光様がたずねられた。(2)「私はこうこうで、ご無沙汰をいたしまして」と言い、「ご普請の費用にたった十円でございますが」と言って出したところ、
「これは神様がせよとおっしゃった普請ではない。私も普請はして欲しいが、まだ時節が至らないので、あれまでになってはいても、いつ建つものやらわからない。川手(川手与次郎)がどうするかわからないが、私はご普請は当分あれまでのものであろうと思う。それなのに、その方は今こうして供えると言う。10円と言えば大金である。それを供えたところで、その効がない。それよりも、その方は病気をしたりして入用がいったであろう」
と仰せられた。(3)「はい、たくさんいりました」とその人が答えると、
「人間には薬が必要であるから、神様へ供えたものと思って、この金を使うがよい。そして、参って来るといってもいろいろと入用もいるから、この金の利子をもって参って来なさい」
と言われた。(4)その人は驚いた顔で、「私はおかげを受けましたので」と強いて言ったが、
「まあまあ、そうあせることはない。また先で供えることができるから、その時にするがよい」
と言われた。(5)しかし、その人は聞き入れないので、金光様は、
「それでは、私はご普請のことは知らないから、あなたがぜひ供えたいと思われるなら、川手へ行ってご相談なさい」
と言われた。

  1. 理3・内伝・13

  2. 理3・内伝・12

  3. 理3・内伝・11

  4. 理3・内伝・10

  5. 理3・内伝・9

  1. ご伝記 金光大神(昭和28年刊行版)

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