理2・津川治雄・21

金吉様が道楽で、総社で女やばくちにふけっておられたが、金光様は、いっこうお嘆きなされなかった。(2)ある時、相撲取りが素足でわき差し一本差して来、「金光様というのはあなたですか」と言った。私は大刀と小刀を横に置いて金光様とお話をしていた。(3)「金吉というのはあなたの息子かな。どこにいる」
「総社にいますが、それは私の息子です」
「わしは、この間ぶち殺してしまおうかと思った。金を貸しているのに払わない。わしは球磨川という者だが、仲に立って、ここに来て相談せよと言う者があるから、来たのだ。金を出してくださるかどうか。二つに一つの話だ。どうしてくださる。一貫目ばかりの金だが」と言う。
(4)私も黙っておられず、「そのお話は私が聞こう」「いや、こうしてお目にかかった以上は直接に話す」「いや、そうだが、話は仲に立つ者がなければならない。私も聞きたいことがある。あなたが金吉と言い、金光様も、わが子ですと言われれば、間違いはあるまい。しかし、借りた者が払ってくださいと頼んだ手紙を持って来なければ、足らないではないか。偽りではないにしても、疑われてもしかたがないではないか。手続きだけはつけなければならないのではないか」(5)こう言っているうちに、金光様が、
「ちょっと部屋に来てくれ」
と言われ、
「ごもっともですが、やりましょう。借りているものを、返さないとも言えないでしょう。うそであっても、これは私の家のめぐりです。もし、うそであったら、私の家のめぐりを負って帰ってくれるのです。やりましょう」
と仰せられて、とうとうやられた。

..堤清四郎の伝え

  1. 理3・内伝・13

  2. 理3・内伝・12

  3. 理3・内伝・11

  4. 理3・内伝・10

  5. 理3・内伝・9

  1. ご伝記 金光大神(昭和28年刊行版)

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