一つ、御本社一町おわきに向明神(藤井きよの)様と申すあり。ご婦人にて御盲なり。今コン明治四年、御年四十三歳、丑の御年なり。(2)先達てご眼病の節、外方ホカカタにおいて種々ご養生なさせられ候えども、しるしなし。しだいに重らせたまい、ついにご一命にもかかわらせたまいしによりて、御本社へお願いに参られしに、「延引なり。早く来らば、かくはせまじきものを。しかし、願うとあらば、目は見えずとも不自由はさせまじ」とのたまい、ただいま御盲なれども、昼夜のおへだてなく、針のみみそ(穴)をお通し、縫い物、機織り、穀物のごみ選り、継ぎの色を知りたまい、女の業おさしつかえということなし。(3)初心の人、御本社へ参詣ついでにはお立ち寄り、ご拝しかるべし。諸人をお助けなされて、ありがたき、そのあらたかなることを知るべし。
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