「この神様のご恩が忘れられますものかいな。寿命をつないでいただきましたのですもの。これを忘れたら罰が当たります。一生忘れませぬ」と、よく高言する者があるが、よう覚えておらぬと、後から後から忘れるぞ。(2)「この大願成就のおかげをくだされば、金の鳥居をさしあげます。絹のお幟をお供え申します」と言うたりする者があるが、さあ、おかげを受けると、金の鳥居が小さななまこ(トタン)の鳥居になったり、絹のお幟が紙になったりするのが、だんだんある。神様はそんな物をもらおうとは思わっしゃらぬが、もったいないことじゃ。(3)けれども、一生忘れように忘れられぬようなおかげを受けながら、そのご恩を忘れたら、自分が自分を忘れたも同然じゃから、つまらぬ、もったいないことが、またできてきて、わが身が立ち行かぬようになるかも知れぬ。
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