みんながだんだんおかげを受けると、才崎にのりくら(神がかり)ができたじゃの言うて、山伏や行者が乗りこんで来ては、神様の大前を荒らしたり、中には警察に訴えたりする者があるので、
「金光様は『此方の道は神と皇上との道じゃ』と言うてござるのに、お上のご法度を受けるようではかえって恐れ多いから、当分のうち身信心にさしてもらおう」と思うてお参りした。(2)その時、金光様が、
「此方においても、この道のためにはいろいろの困難に遭うて、これまでに、はや、いろいろにしてみたが何の効もなかったから、たとえいかようなことを言うて来る者があろうと、そこを何となりと言うて滑っておってくれ、ここには神も考えのあることじゃから。(3)たとえ顔に泥を塗られるようなことがあるとも堪忍しておってくれ、やがて、神が顔を洗うてやるから。(4)ほかの者の組下になったら、神のひれいは立たぬぞ。(5)本家と思え、分家と思う。親と思え、子と思う。どうぞ、この道のためには此方と浮き沈みを一緒にしてくれい」
と言わっしゃった時には、ありがたいやらもったいないやらで、頭をあげてお顔をよう拝まなんだ。(6)もうどんなことがあろうと、金光様と生き死にをご一緒にという腹がちゃんと決まった時、金光様がお喜びになったことは、終生忘れられぬ。