それから後百日たちても、いっこう何の験も見えず、病気は悪うもならぬがようもならぬ。(2)「これは、やっぱりいけん。彦さんが親切に教えてくれたけれど、うちのは神様のお力にもかなわぬのかも知れぬ」と、また信心も打ち捨てようと思うたのであったが、まあ今一度参ってみようという気になって、利喜三が再び参詣した。(3)すると、金光様は、
「よう参られたが、お前に話してもわからぬからのう。また、連れそう亭主(豊松)も、こげも(すこしも)信心気がないから、二へんとは言わん、一ぺんだけ連れそう亭主を参らせんさい」
と仰せられた。