理1・鳩谷古市・1

そもそも天地金乃神様へ信心を始めたる次第、書きあげ仕り候。(2)岡山西川ニシガワ京屋敷と申す所に住む秋山甚吉次男の米吉と申す者、明治二年、九歳の年より病人にて御座候。同人の祖母、日蓮宗にて御座候いしが、右につき、明治六、七年のころより金神様へ信心して、また同人も金神様へ信心をいたし候。その節に、大谷の金神様へ信心する人もなし。また、あるとも知らず。まったく大谷のことは知らずに金神様を信心仕り候。(3)同人、病気全快仕り候。その後より、同人が金神様へかぜひきども御願い申しあげ候えば、さっそくにかぜもよろしく相成るようなることに相成り候ことが、もとはじまりにて御座候。
(4)右、西川京屋敷に居宅仕り、みな人々これを聞き合わせて、万事願い事を頼みに宅へ参り候ことなり。しだいに身が入り、同人も大谷へ参り始め仕り候次第なり。
(5)その後、私どもも大谷をたずねたずね、はじめて参拝仕り候。その節は、明治七、八年秋九月ごろと存じ候。日は覚えず候。はじめて教祖金光大神様へ拝顔奉り候。(6)かつまた、何かのことを伺い奉り候。「金光様、私は、岡山西川京屋敷、秋山米造の父秋山甚吉の弟、鳩谷古市と申す者にござります。ただいまは岡山新西大寺町に住居仕りおり候。かねて金神様へ信心いたしておりましたが、今日ようようとたずねたずね、はじめて参りました。恐れながら、何かのことお伺い申しあげます。私は、かねて牛肉が好きにて食べますが、これを食べては、信心しても、神様が横にお向きあそばされますように思われます。いかがなものでございましょうか」
とお伺いいたし候えば、(7)金光様は、
「さようなものではないぞえ。ぼとぼと言うて聞かせましょうぞ。好きなれば、牛肉なりと、かしわなりと食べい。下戸に酒を持って行っても飲まぬ。好きで食べれば、血肉になりて身が丈夫になる。丈夫になれば、神様に、痛いから治してくだされと言うことなし。
(8)商売なら繁栄を願え。百姓なれば満作を願え。繁栄すれば金銀に不自由なし。それ、かかり物(公共負担金)じゃの、それ税金じゃのと申しても、さしつかえなく出せば戸長さんに叱られることなし。
(9)また、汚れ不浄ということも昔はあれど、ただいまにてはお廃しとなりました。西の方から江戸まで行っても、関所ということもなし、また総門(外回りの門)ということもなし。日本国はあけ放しとなり、お上よりご規則が変わりたから、金神様もご規則お変えなされ、日柄方角、汚れ不浄ということをお廃しとなりました。
(10)ある時に、『近所のおばさん、氏神様へ参ろうや』と誘えば、『私はゆうべから役におり、汚れたから、また今度参りましょう』と言う。女の月役を汚れ不浄と申しておるが、これは大間違い。この金神は、月役を汚れ不浄とは申さんぞ。月役は人間のできるもとであろうがな。これが汚れ不浄なれば、女も男もみな、いつまでも汚れであるぞ。ここをよく承り、合点しなされよ。
(11)合点がいったら、人に言うて聞かして、おかげを受けさせい。お前は、ぼとぼと楽じゃから、言うて聞かして、人を助けよ」
と仰せられ、(12)すぐに、
「親が死去して、四十九日の忌服ということあり。その四十九日の間に病み患いをいたし、それ医者の薬じゃ、または氏神にて勢祈祷と申した時、まだ親の忌服がすまぬ四十九日のうちならば、氏子一人と駒千匹ともかえとうもないと、例えにさえ申す氏子を、気の毒ながら見殺しにせねばなるまいがのう。それゆえ、この金神は汚れ不浄はおやめ、お許しに相成っておる」
とも仰せられ候。
(13)また、金光様仰せに、
「普請作事するにも、何事も前々に神様へ向かいお願い届けすれば、お許しお聞き届けに相成る。(14)黙りてすると悪いぞや。『ここは広い所じゃ。お上にも使われぬ。じゃまにはなるまい』と思うて、つい少しの建物をしてみよ。巡査が見ると、とがめる。使われず、いらぬ所と思うたら、払い下げにしてもらえ。それから堂々と建ててみよ。だれも、とがめる者はなし。
(15)また、隣同士で、表口は別にして、裏は境あるといえども塀もなし、一所のようなる所、おりおりあり。干し物する時に、『うちの裏にては足らぬ。今日は隣の裏を借りて干さねば足らぬ』と言うて、隣には今日は裏もいるまいぞと思うて、声をかけずに干し物をしたとする。すると、ようしたものじゃ。声をせぬ時に重なるものなり。『うちの裏へ隣が今日は干し物をしておるような。隣は何か断りを言うて来たか』と家内にたずね、『いや、隣は何も言いはせぬ』と答える。『人の裏へ干し物するに、声もかけずに干し物するは、あんまり人をばかにするというものじゃ』と、ついに言い事を受けることあり。(16)ゆえに、何事も届け知らせねばならぬもの。前々に届けして干してみよ。言い事受けることなし。ゆえに、何事も後より届けしてはならぬものなり」

  1. 理3・内伝・13

  2. 理3・内伝・12

  3. 理3・内伝・11

  4. 理3・内伝・10

  5. 理3・内伝・9

  1. ご伝記 金光大神(昭和28年刊行版)

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