明治十年前後、私は北海道産の肥料を売買し、備中玉島港で買い取りをしていたので、しばしば金光様のもとに参拝してみ教えをいただいていた。(2)ある時、金光様は、
「峰さん、今日はお願いかな、信心参りかな」
と仰せられ、「今日は信心参りでございます」と申しあげると、
「そうか。それなら、まあ、ゆっくり話してお帰りなさい」
などとご親切に仰せくださった。(3)また、ある時、いつものように肥料を仕入れに玉島港に行ったが、あまり高価なので、「金光様、肥料があまり高うございますが、これを買い入れましても、もうけになりますでしょうか」とお伺いしたら、
「峰さん、それは神にはわからない。高くても利益になると思えば買うがよし、損になると思えば買わないがよし、そのへんは神にはわからない」
と仰せられた。(4)されについて、これは少しも無理がないみ教えである、これが神様であると、大いに感じた。
..市村光五郎の伝え