明治十四五年の秋、十六七歳のころ、父の福嶋儀兵衛とともに金光様のみもとに参拝した。金光様は、ご祈念座に平伏してご祈念しておられたが、頭をあげて神様とご対座の態度をとられ、さほど大きくはないが威厳のあるみ声で、
「氏子、人に物を頼むな。此方の道は唐傘一本で開くことができる。氏子、信心しておかげを受けよ」
と言われた。(2)それから、お結界にお座りになって、
「ただいま、神様はあのように仰せになったが、人の心は移り変わりやすいものである。その、人の心を頼りにするから、腹を立てたり物事を苦にしたりすることになる。人に向かう心を神様に向けよ。神様は、氏子の願いは何でも聞き届けてくださる。此方が傘一本と言うことは、真一心になりきることである」
とお諭しくださった。
..影山鶴吉の伝え