明治十六年八月ごろ、尾道に船をつないで金光様のみ前に参上した。その時、金光様は、やさしく数々のみ教えをくだされた後、
「周防の国の氏子唐樋常蔵、此方金光大神は百日の修行が足れば神になるのぞ。西三十三か国は、その方らに頼むぞ」
と仰せられた。
(2)そのお言葉に胸迫り、「金光様、あなたがお隠れになりましたら、この道はどうなりましょうか」と思わず知らずお伺い申した。すると、
「氏子、心配することはない。形を隠すだけである。肉体があれば、世上の氏子が難儀するのを見るのが苦しい。体がなくなれば、願う所に行って氏子を助けてやる」
と仰せられた。
..北村周造の伝え