理2・金光萩雄・18

倉敷の天城という所の酒屋が、二十何間かの蔵を建てようとしたら、「主人の年回りで建てられない」と、ある人に言われ、困っていた。その時、「金光様のお広前へ参って、お断りをしてすればよい」と、ある人に教えられ、参って来て、金光様にそのことを話したら、
「三年ふさがりでもかまわない」
と言われた。(2)その人が「資材の買い入れもしているので建てさしてもらわなければならないのですが、どうすればよろしいか」と聞くので、金光様は、
「ご祈念やお初穂で成就するのではない。話を聞いてわかればよい。大工が入って準備の出来た日を吉日と思って建てればよい」
と言われ、(3)なお、
「ほかにも、困る者は参るにもおよばない。うちからでも拝んでせよと教えてやれ」
と仰せられたので、それを聞いて、その人は喜んで帰った。
(4)大工が来て、「どうでしたか」と問うたので、その人は「何のことはない。みやすいことである」と言って、金光様の教えを伝えた。すると、大工は「それはいけません」と言い、家内も大工に賛成し、「どこそこの先生(方位家)に見てもらわなければ」と言うので、しかたなく見てもらった。(5)方位家は「三日よけて、何月何日何時から始めて、何時までに棟木を収めてしまわなければならない」と言うので、その手配りをした建てたが、終わろうとするところで家が震動しだし、みな、あわてており終わると、家は内へ内へたおれた。(6)主人は「これがおかげである。あれだけの人にけがもなかったのはおかげである。みな、飲んでくれ」と酒を出したが、飲む者はなかった。
(7)みなに酒をすすめておいて、金光様のお広前へ参って来て、事の次第を申し、「内へ内へたおれたので、柱一本も役に立たなくなりましたが、だれ一人けががなかったのがおかげでした。後は、ぜひとも建てなければならないのでありますが」とお願いしたら、金光様は、
「神様の教えどおりにしなかったのであるからしかたはないが、後々のことははじめの教えどおりにすれば、おかげが受けられ繁盛さしてもらえる」
と言われた。(8)その人が「そうさしてもらいます」と言うと、次いで、
「見てもらった先生が悪いのではない。先生は本にあるとおりを言ったのであって、そのとおりにすればよいのであるが、そのとおりにできないから、たおれるようなことになったのである。それゆえ、先生を悪く言うのではない。この教えと先生の方とが敵になるようなことにしてはならない」
と教えられた。

  1. 理3・内伝・13

  2. 理3・内伝・12

  3. 理3・内伝・11

  4. 理3・内伝・10

  5. 理3・内伝・9

  1. ご伝記 金光大神(昭和28年刊行版)

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