乙島から三年の間、夜半過ぎから夜明けの四時ごろまでの間を見計らって、金光様のみもとにお参りしたことがあった。その間、一夜の変わりもなく、金光様はお結界にお仕えになっていた。(2)ある夜、「生神様、今夜は月がさえてきれいです。外へお出になってはいかがですか。いつもいつも、そこにばかりお座りになってお仕えくださっておられるが、夜十二時が過ぎてお参りするのは私くらいなもので、だれも参る者はありますまい。外へ出て月でもご覧になると、命の洗濯になります」と申しあげると、(3)金光様は、
「坂根さん、此方がここを動けば、世の氏子がけが過ちをするかも知れない。どうか、世の氏子に、けが過ちのないように、本当のおかげが受けられるようにと願っていると、此方はここを動く暇がない」
と仰せになった。