売薬行商をしていたころ、山口県地方へ行商に行って、血塊(体内に血の塊ができる病)を患った。土地の人に大谷の生神様を教えられ、明治十四年六月十一日、はじめて金光様に病気のお願いをしていただいた。その時、
「一心になれ。おかげはいただける」
というお言葉をいただいた。(2)この時から向明神(藤井きよの)様のお宅に泊まって、一心に信心さしていただき、おかげで血塊が溶けて下った。血塊の毛の長さは一寸四分であった。その毛を金光様にお目にかけたら、
「その方は、若いのに、よくこれまで信心した」
と言って大いにお喜びくださった。(3)これは同年九月一日のことであった。大神様に、白木の三方二つ、かがみもち二重ねね幟一本を供えてお礼申しあげた。(4)この時、金光様から、
「加持祈祷、まじないごとは、いっさいいらない」
というお言葉をいただいた。(5)次に、
「自身がおかげをいただいた喜びに、万人を助ける心になれ」
というお言葉をいただいた。その後約一か年、向明神様のお宅におらしていただき、お道に入らしていただいた。
..砂田喜代松の伝え