私は三十二歳のころから脳が悪くなって頭が冷え、後には、手が焼けるほどに温めた石を載せておかなければならないまでに冷えるようになった。四十五歳の年、塩飽きよさんにすすめられて信心を始めた。(2)翌年の閏三月八日に、きよさんが来て、金光様の教えについて、産のこと、おかげの実話などを話して聞かせてくれた。それを聞いている間に頭がしだいに温かくなって、頭を覆っていた綿布や、載せていた座布団などを取り除き、着物も薄くするほどになった。その時までは、手足まで冷えて、灸をすえるなどしていたが、その日限りやめ、薬も飲まないようになった。
(3)その年の七月には鼻血が多量に出て気分は軽くなったが、なお朝夕は多少冷え、気分の悪いこともあったので、そのことをお願い申しあげたところ、
「大病の後である。畑にたとえれば、大草を取るにしても、一度取っただけで捨てておけば、また生える。始終、信心に力を入れて、草を取るような心持ちでいるがよい。そうすれば、後には根が切れる」
と仰せられ、その後ついに全快した。
..福嶋儀兵衛の伝え