理3・内伝・1

緊張した話は、する者よりも聞く者がえらい。ご霊地に参拝し、生神様のお言葉を一言二言承ることは、容易ならぬことであった。時には五時間も座っており、足が立たないようになることもあった。五里も七里も、わらじがけで参りて来て、それがえらいようではおかげにならぬ。足が立たなくなっておるのがありがたいのであった。
(2)教義の研究という言葉は用いぬようにしてもらいたい。研究というようなものではなし。修養という言葉であって欲しい。(3)質問という言葉もさけて欲しい。お伺いとか、おたずね申すとかいう言葉であって欲しい。
(4)教祖ご在世中は、お道のことを書いた物で見て知ることは絶対になし。初代白神師の「御道案内」は自身の手控えで、後に現れた物である。(5)信心のことを知るに近道はなかった。お庭草を踏み、足の裏にまめが出た徳で、一つ一つ信心の徳を積み進んだものである。(6)今は、早く道を知りたいという考えが盛んになった。これは悪いことではないが、机の上で知りたいというので、道力がないから、物知りはできたが神徳者ができぬ。実際の徳がないために、人を生かすことができない。
(7)教祖のご裁伝やご理解は、氏子の徳が積むに従い、だんだんと尊き教えをたまわった。三年も五年も参りおりても、おかげの御礼だけに参る者へは、ただそれだけのみ教えにとどまりしなり。いわゆる平信者でとどまりし者多し。(8)お試しにお試しあげなされ、そのうえで本当の教えをなされしものなり。私どももお試しを受けた。
「氏子は千人に一人の氏子ぞよ」
とおっしゃることありしは、そのためなり。
(9)今の人としては、神誡、神訓、御理解(「金光教祖御理解」)は、先輩が生神様より承りしことを世に伝えたるものだが、今承るには、生神様の教えを承るという心持ちになること大切なり。(10)六か月くらいで道の奥まで承れるものでなし。道の極意は、神徳を積めば、親神様からも教祖様からも、地位の上下を論ぜず、信の一心によって各自に教えをたまわることになっておる。それには、自分の真の生っ粋を磨きあげていかねばならぬ。
(11)先日も、道のことに志の篤い青年が来て、教えを受けたいと言う。忙しくしておる時で、あって話してやることができない。幸い、その青年の問うことは、かねて文書にしておったから、これを読んでみよと言って出してやったら、五分間ほどで読んで返しに来た。それは、五分間もあれば読むことは読めるのだが、しかし、その中に書いてあることは私より他に知る者はないので、それを読んで当時を追想し熟考し黙想せば、一時間や二時間くらい動けるものではない。それを五分間ほどで読んで、すぐに帰して来た。それで、文書をもってする教えは大いに考えものだという気がした。それを読んでは、しばらく涙を流して動くこともできぬくらいのものと、私は思うておったのである。
(12)書いてある物も、教祖のことを書いてある物は、教祖を拝し奉るの気持ちになって拝見すること大切なり。そこに道力が備わるなり。無学なる神徳者より話を聞き、頭のあがらぬようなことのあるものなり。この風儀を改めるようにしていきたい。布教ぶり、教育ぶりを。かかることにては、神様の教えを受けるようになることはできるものではない。
(13)平田篤胤大人は、本居翁のご墓前において弟子入りをし、そして『古事記伝』の原稿を読ませていただくことになられしなり。私は、元田永孚先生の倫理、井上哲次郎先生の東洋哲学、それにより私は教えを受けしにより、このお二人には先生の礼をとっておる。
(14)教祖には写真も画像も木像もなし。これは、教祖が、
「形に目をつけてはならぬ」
とお許しにならず。黒住宗忠の神のお姿ができておるので、私も申しあげ、藤井恒治郎氏らも申しあげたが、お用いなかった。第一世管長(金光萩雄)様に正神(金光金吉)様の御眉毛を持ってまいれば、生神様にほとんど近い。眉毛も濃く長く、御前が少しはげ気味、第一世管長様よりお顔が少し丸くおわした。
(15)今日をはじめとして、教祖の神がほうふつとして拝まれるようにいたしたいと思う。生神様にお目にかかれるということにいたしたい。その祈願を篤く教祖へお願いしておるわけである。
(16)今回の話は、長年調査しておることを話すのであるが、今春、明治九年まで話した。それで、年代順のいかんを問わずに、前のようなつもりで話してみようと思う。何月何日ということのわからぬものは、わからぬままで話すことにする。一日の日を確定するに、備前、備中、備後、安芸と調べ、半年を費やしたることもある。(17)教祖ご在世中のことを、内伝と言うておる。本教にとっての神代である。ご帰幽の後は人代と言うことにしておる。

  1. 理3・内伝・13

  2. 理3・内伝・12

  3. 理3・内伝・11

  4. 理3・内伝・10

  5. 理3・内伝・9

  1. ご伝記 金光大神(昭和28年刊行版)

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