終末期のケア

吉本興業のなかでも、とくに神仏には詳しい小藪ですが、いつも辛口すぎて、今回も多くの人から誤解を受けてしまいましたね。このポスターの撤廃が、税金の無駄使いという観点だけニュースになっており、ちょっと残念です。
6日前に亡くなった僕の祖母は、まだ意識がしっかりしていた頃から、終末期の準備を整えていました。晩年はほぼ、自我が失われていたのですが、霊璽(死後の魂を入れる小箱)まで自分で用意されていました。本当に手の掛からない最期でした。このポスターが喚起する終末期の模範例でしょう。
一方で、こんな言い伝えが頭をよぎります。「死ぬる用意をすな。生きる用意をせよ。死んだら土になるのみ」。急に植物人間になってしまう可能性は誰にでもあります。もしものことばかり気にして人生会議しておくことよりも、今をいきいきと生きる方に意識を注がなきゃいけない時期が先にあると思うのです。そこを通過せずにポスターの啓蒙に従属する人生は、もったいないかもしれませんよ。